SNOW
《土曜日》

この日、俺は同級生の晋也・翔・亮太と出掛けていた。

「あぁー、疲れたぁ。もう夕方だし、帰る?」

朝から大はしゃぎだった翔は、すでにお疲れのよう。

「はい、じゃあ帰りたい人っ!」

めいいっぱい盛り上げたつもりだったが、おれの声を聞いて手をあげたのは…、

俺も含めて、4人。

「はい決まりぃぃぃ!帰ろうっ!」

亮太…、完全に壊れてるなぁ。

「…なあ、竜斗。」

驚くほど小さな声で、晋也が警戒したように話しかけてきた。

「どした?急に。」

「さっきから、変な兄ちゃんがついてきてるんだけど…。」

「え?どこ?」

「なになに?」

「なに話してんの?」

「変な兄ちゃんがついてきてるんだって。」

「マジ!?どこ?」

晋也の顔が、更に曇る。

「…りゅっ……竜…斗、後ろ……。」

「へ?」

振り返ると、ジーパンにセータの、なんともラフなかっこうの兄ちゃんが立っていた。
< 2 / 11 >

この作品をシェア

pagetop