SNOW
「うんざりなんだよ!毎日勉強勉強ってよぉ!」

殴りかかって来るかと思ったのに、父さんと母さんは呆然として、俺を見ていた。

「…竜斗。」

「俺は自分のやりたいことをやりたいんだよ!人生まで親に指図されたくねーんだよ!」

「ふざけるなっ!」

バキッ!

目の前に、血が飛び散る。

「あなた!」

「…ッ……。」

父さんの強烈なフックを受け、俺は立つことさえできなかった。

「父さんたちはお前のために言ってんだぞ!!大学に行きたいって言ったのは、お前じゃないか!」

「そんなこと、一言も言ってねーよ!父さんたちが勘違いしてるだけだろ!?」

「なんだと…!!」

「あなた!もうやめてください!竜斗も言い過ぎよ!口の聞方に気をつけなさい!」

…どっちがだよ。

「なら、お前の好きにすればいいさ!ただし、金は自分で払えよ!」

「…金ならあるよ。」

俺は、ゆっくりと本杉の方に振り返った。

「本杉さん、二階で話をしましょう。」

「え…、うん…。」
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