不機嫌に最愛
*彼、積極的につき
【彼、積極的につき】
☆゜・*:.。. .。.:*・゜☆゜
「……はぁー、」
疲れた、とは思わないけど、頭の中がグチャグチャで混乱している。
それもこれも、全部梓希先輩のキスのせい。
……なんて、考えるだけでまた溜息が漏れてしまう。
バスルームの浴槽の中。
お気に入りの入浴剤を入れても、晴れないモヤモヤに溜息が止まらない。
「もう、ワケわかんない……」
私を惑わす梓希先輩に、突然のキスの理由に。
もちろん、イヤだなんて全く思わなかったけれど、どうして?って気持ちの方が大きくて。
我慢するのやめたって、何……?
悩んでいたって、時間は確実に過ぎていて。
もうすでに、約束の夜にだってなっているのに、梓希先輩はまだ現れない。
「……梓希先輩のバカ、」
口から溢れるのは、梓希先輩への悪態ばかりだ。