不機嫌に最愛



数分後、戻ってきた橘さんの手には、ショップの袋。



「萌楓さん、これ貰ってください。」

「え、いや、」



何となく、満面の笑みの橘さんの申し出を断りづらくて、どうしたものかと考えてしまう。



「お詫びなんで。これで望月さんとハロウィン楽しんでください!!」



悪い人じゃないんだけど、……押しが強すぎる。

これでよく客商売出来てるなー。



「えっと、頂くのはちょっと申し訳ないので、……お金は払います。」

「いやいや、お詫びなんで!!」

「お詫びしてもらうようなことじゃないので……、」

「じゃあ、……望月さんに渡しておきますね!!」

「はぁ!?」



……ダメだ、この人。

話が通じない気がする。



「梓希先輩に渡すのは、……やめてください。」

「じゃあ、はい、これ。」



なかば無理矢理、袋を押し付けられて。

じゃ、って去ってしまった橘さん。


……コレ、どうするの!?



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