不機嫌に最愛
「はぁー…、しょうがないから髪は切るけど。夜、萌楓の家行くから」
「……え、」
「では、お客様。シャンプー台へどうぞ?」
私の決意なんて、いざ知らず。
梓希先輩は勝手に話を進めて、自己完結。
終いには、お仕事モードですよ?
ていうか、しょうがないから髪は切る、って、おかしくない?
しかも、夜には家に来るって……!!
私の戸惑いにも動じない梓希先輩は、その後見事に私の髪へシャンプーを施した。
普通はアシスタントの人に任せることだろうに、梓希先輩はいつも、自分以外の誰にも私の髪を触らせない。
正しく、有言実行(?)と言えるんだけど……