私の子猫くん
「……あ、オスだ。」
「へぇ、オスなんだ、この子。美人が好きなんだねぇ、お前。」
美樹は、何だか楽しそうだった。
「名前はどうするの?」
「そうだなぁ……ありきたりな名前じゃかわいそうだし。」
クロなんていかにも体色からとったのまるわかりだし、
チビなんて、すぐに体は大きくなるから、合わなくなる。
私の脳で考えられるのは、こんなありきたりな名前ばかりだった。
「……またゆっくり考えるよ。」
「うん!決まったら、教えてね。」
……ある雨の日に、出逢った一匹の黒い子猫。
この黒い子猫が、私の一番になるなんて、考えもしなかった。