私の子猫くん

「ねぇ、杏。」






「ん?」






「僕、何かしないといけないことあるかな?」







「しないといけないこと?」







心地いい風が吹く街を、コウとしばらく歩いていると、コウが突然思い出したようにそんなことを私に尋ねてきた。






「うん。僕、杏のこと好きだし、一番になりたいってずっと思ってるだけだった。でも、人間のことはまだまだ分からないし、できないことも多いから、杏の傍にいるために何かできないといけないことがあるんじゃないかって思って。」







「……コウ。」






「もし、そういうことがあるなら杏の傍にいるために僕頑張るから。」






私はコウの手をゆっくり握り直した。


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