私の子猫くん
「何がいいかなぁ?」






自動販売機の前まで来て、私はコウに何が飲みたいか聞いてくるのを忘れたことに気がついた。






「私と一緒でいいかな……」







そう思ってお金を入れた時だった。







後ろから一本の腕が伸びてきて、私が買おうと思っていたオレンジジュースのボタンを押した。






私は思わず振り返って、その腕の主を確かめた。






「杏が買おうとしてたの、これでしょ?」







「……亮。」







そこには、昨日とは打って変わって無邪気な笑顔を浮かべている亮が立っていた。


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