私の子猫くん
「……どうして?」
「昨日あんな形でしか話せなかったから、ちゃんと話したいと思って。あとつけてたの。」
亮はそう言って、自動販売機からオレンジジュースを取り出した。
「杏、オレンジジュース好きだったよね。今も変わってないんだ。」
亮はそう言って近くにあったベンチの上に腰かけた。
「今日はあのかわいらしい彼は一緒じゃないの?妙に黒目が大きな。えーと……コウっていったっけ?」
「……関係ないじゃん。」
私がそう言うと、亮はオレンジジュースをプシュと音を立てて開けた。
「あ、後で120円払うから。」
私はただ黙って亮を見つめることしかできなかった。