私の子猫くん
「……私はコウが好きなの。邪魔しないで。」
「あいつに杏を幸せにできるとは思えない。」
「何でそんなことが分かるの?」
「……うーん、パッとみただけだけど、勘かな。あいつは何も知らないような気がする。」
……亮の勘は相変わらず鋭い。
「……杏が守ってあげないといけないような気がするんだ。そんなやつと一緒にいて、杏は幸せになれるの?」
私はただ亮のまなざしに捕らわれないように必死だった。
その質問には答えず、亮に背を向け、再度自販機にお金を入れ、オレンジジュースを買った。