私の子猫くん

……僕、ダメだな。杏に頼りっぱなしだ。






「……ねぇ、杏。」







「うん、なぁに?」






僕は、僕に背を向けてお皿を片づけている杏に話しかけた。







「……亮っていう人と会わせて。」







僕がそう言うと、お皿を片づける杏の手が止まった。







「……コウ?」






「……話がしたい。どれだけ、杏のことを僕が好きか言いたい。」







杏はしばらく口を噤んだままだった。


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