私の子猫くん
「……ということは、杏は突然現れた猫を好きになったってことか?」






しばらく沈黙があった後、彼は少し大きめな声でそう言った。






「……そう。」






杏が真っ直ぐに彼の目を見つめて、強く頷いてくれた。






「……話は分かった。信じられない要素が多かったけど。」






……よかった。分かってくれたみたい。







……頑張って話してよかった。





「なぁ、杏。悪いんだけど、喉乾いちゃった。コーヒーとか淹れてくれる?」






「……それ飲んだら帰ってくれる?」






「あぁ。帰るよ。」






杏は、その言葉を聞いてふぅとため息をついて立ちあがり、台所に行ってしまった。


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