私の子猫くん
「コウ。さっきから何かおかしいよ?」
僕は杏のその言葉にビクッと体を震わせた。
「……何でもないよ?」
……僕、ダメだね。
杏には何でも言ってほしいってお願いしたのに、僕は大事なこと話さないなんて。
「……そうかなぁ?本当は亮に何か言われたんじゃないの?」
……杏、ちゃんと僕のこと見てくれてるんだなぁ。
って、何考えてるんだろう。杏に隠し事してるのに。
「……少し眠たいだけだよ。一緒に寝よ?」
僕はごまかそうとして、そう言って杏の手をひいた。