私の子猫くん
「……うん。」
杏はそう言ってベッドに入ってくれたけど、いつもとは違う表情。
やっぱりどこか気にしてるみたい。
「……もう大丈夫だから。そんな顔しないで。」
僕はそう言うと、杏をベッドの中で抱きしめた。
「コ、コウ?」
「ね?安心できたでしょ?」
「……うん。」
本当はこれも嘘。杏を安心させるために抱きしめたんじゃなくて、僕が安心したかっただけ。
杏はすっかり小さくなって、僕の腕の中で眠りにつこうとしていた。