私の子猫くん
「うーん……君の名前は何にしようか?」




その人間の部屋に入ると、その人間は僕を、柔らかくていいにおいのするベッドの上に置いてくれた。




……ここ、好きだなぁ。




「難しいね。君が話せたら、どんな名前がいいか聞くんだけど。」




僕が話せたらかぁ。




そしたら……もう少し楽しくなるのかな。




もっとこの人間とも仲良くなれるのかな。




「……君、男の子なのにかわいいね。猫界の美少年だね。」




美少年……?




「……うん。君の名前はコウにしよう。何だか美少年って感じ。」




……僕の名前はコウ?




「ねぇ、これからはコウだよ?私が呼んだら、返事してね、コウ。」




……そっか、僕はコウなんだ。




何だか、とてもくすぐったくて、とても嬉しくて、




僕は精一杯の声で鳴いた。


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