私の子猫くん
「杏が握ってくれたお昼のおにぎり……本当は僕がこういうのも用意しなくちゃいけないんだよね。」
僕は杏が用意してくれた二つのおにぎりを眺めて、そう思った。
「……そうだ。確か、杏がスープとかいったおいしい温かいものを作ってくれたことがあったっけ。この辺りに……あった、これだよね。」
確かお湯を沸かして、注ぐだけでいいんだよね。
僕は杏がやっていたことを思い出して、水を鍋に入れて火にかけてみた。
……今はこれだけのことしかできないけど、絶対にできるようになる。
……今はあの人より全てのことが劣っているけれど、絶対に抜いてみせる。
そう誓ったはずだった。