私の子猫くん
「……昨日、亮っていう人に、僕には杏を守ることができないって言われた。猫だった僕と一緒に居続けたら、杏が不幸になるって。」
「……そうなんだ。」
「だから、杏がいなくても色々できるようになれば、もうそんなこと言われても大丈夫だって思った。何をすればいいか分からなかったけど、杏が僕のためにしてくれたことを一生懸命やってみたんだ。」
やっぱり、亮が素直に引き下がるわけなかったんだ。
……コウにこんな思いをさせるなんて。
「……僕、杏の傍にいてもいいんだよね?」
「……何言ってるの。当たり前だよ?」
「僕、杏の一番でいられてる?」
「うん。だから、そんなに頑張らなくてもいいんだよ。」
コウは私のその言葉を聞いて、ゆっくりと笑った。