私の子猫くん
2、君の傍にいるために

〜side 杏〜



コウが私の空間にいる。




それだけで、昨日とは何か違う感覚が私の中で生まれている。




「おはよ。コウ。」




クッションの上で丸くなっているコウ。




私は、その姿を見るだけで、今まで感じたことのない幸福感を感じていた。




「今日は休みだから、一緒にお買いものに行こっか。」




コウは、こっちを向いてにゃーと一声鳴いた。




「その前にご飯だね。用意するから待ってて。」




休みの日は、いつも朝食は食べない。




用意するのが面倒くさいし、必要性を感じないから。




まぁ、大学がある日も朝はあんまり食べないんだけど。




「ミルクしかないけど、許してね。一緒にキャットフードとか買いに行かないと、ね?」




コウにはきっと私の言葉は伝わっていないだろうけど。




「おいしい?」




幸せだと思う。
< 18 / 209 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop