私の子猫くん
2、君の傍にいるために
〜side 杏〜
コウが私の空間にいる。
それだけで、昨日とは何か違う感覚が私の中で生まれている。
「おはよ。コウ。」
クッションの上で丸くなっているコウ。
私は、その姿を見るだけで、今まで感じたことのない幸福感を感じていた。
「今日は休みだから、一緒にお買いものに行こっか。」
コウは、こっちを向いてにゃーと一声鳴いた。
「その前にご飯だね。用意するから待ってて。」
休みの日は、いつも朝食は食べない。
用意するのが面倒くさいし、必要性を感じないから。
まぁ、大学がある日も朝はあんまり食べないんだけど。
「ミルクしかないけど、許してね。一緒にキャットフードとか買いに行かないと、ね?」
コウにはきっと私の言葉は伝わっていないだろうけど。
「おいしい?」
幸せだと思う。