私の子猫くん
「お疲れさまです。」
「あぁ、杏ちゃん。ご苦労様。」
私のバイト先の小さな喫茶店。
いつもコーヒーのいいにおいがしてて、とても好き。
小さいけど、私の通う大学の学生に人気で、いつも満席だったりする。
「今日は、まだそんなに混んでませんね。」
「あぁ。まぁ、こういう日があってもいいだろう。」
マスターは、優しそうなおじさんって感じ。
本当にいいバイト先だなと思う。
「……杏ちゃん、何かいいことでもあったかい?」
マスターは、カップを片付けながら、私に尋ねてくる。
「どうしてですか?」
「いや、僕の勘違いかもしれないけど、杏ちゃん、何だかいつもより幸せそうだよ。」
……自分では、ちっとも気がつかなかった。