私の子猫くん
〜side コウ〜
杏が出かけてしまうと、部屋の中が妙にガランとして寂しい。
僕は、そんな寂しさを紛らわせるために、杏の匂いがするベッドで丸まっていた。
それからしばらくして、眩しくて目を開けた。
……ちょっと探検してみようかな。
僕は、ベッドを飛び降りて、辺りを歩き出した。
……ここはお風呂とか言ってたな。
……僕、あれキライ。
水に濡れるの、やだ。
足早に、お風呂の前から立ち去った。
……ここは、いつも杏がご飯を作ってる場所。
僕のご飯も、ここで用意してくれてる。
……いつもいい匂いがして、ベッドの次に好きな場所。