私の子猫くん
「……きなさい。起きなさい。黒き子猫よ。」
しばらくして、僕はそんな声で目覚めた。
……誰?
「私は、あなたの願いを叶えるためにやってきました。」
……僕の願い?
「はい。私は、必要とする者に必要とする何かを与えることができます。もちろん、純粋な心を持つ者にしか私は見えませんが。」
……ちょっとよく分からないよ。
「まぁ、私の正体はいいのです。分かってほしいのは、私はあなたの願いを叶えられるということです。」
……分かった。
「あなたに危機が迫っています。このままでは、杏という人間と引き離されてしまいます。」
……杏と引き離される?
そんなの嫌だ。
「ですから、私はあなたの願いを叶えてあげます。」
そう言うと、小さな女の人はしばらく黙った。
「あなたの願いは何ですか?」