私の子猫くん


僕の願い?




……そんなの決まってる。




杏の隣にいれるように、人間になりたい。




「分かりました。では、あなたは今からもう一度眠りにつきなさい。起きたころには、あなたの願いは叶っているはずです。」




……ありがとう。




「礼には及びません。ただ、1つだけ忠告をしておきます。」




……何?




「あなたが人間になる理由、つまり、杏という人間の隣にいたいという気持ちが失われたり、また杏という人間があなたの存在を嫌いになったとき、あなたは泡となり消えてしまうでしょう。」




……泡?




「それでもいいですか?」




……うん!




僕は、ただ真っ直ぐに杏が好きだから、大丈夫だと思ったよ。




「では、眠りにつきなさい。あなたに幸せが訪れるように。」




僕は、その声を聞いて眠りに落ちた。


< 31 / 209 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop