私の子猫くん
僕の願い?
……そんなの決まってる。
杏の隣にいれるように、人間になりたい。
「分かりました。では、あなたは今からもう一度眠りにつきなさい。起きたころには、あなたの願いは叶っているはずです。」
……ありがとう。
「礼には及びません。ただ、1つだけ忠告をしておきます。」
……何?
「あなたが人間になる理由、つまり、杏という人間の隣にいたいという気持ちが失われたり、また杏という人間があなたの存在を嫌いになったとき、あなたは泡となり消えてしまうでしょう。」
……泡?
「それでもいいですか?」
……うん!
僕は、ただ真っ直ぐに杏が好きだから、大丈夫だと思ったよ。
「では、眠りにつきなさい。あなたに幸せが訪れるように。」
僕は、その声を聞いて眠りに落ちた。