私の子猫くん
〜side 杏〜
「……あの、もしですけど、ペットを飼ってたりなんかしたら、どうするんですか?」
「そりゃ、出てってもらうしかないね。契約違反だし。」
私の言葉に、大家さんはすぐさまそう言う。
「じゃあ、ちょっとお邪魔するわね。」
……もうおしまいだな。
ごめん、コウ。
「……ちょっと、大森さん!来てくれる?」
……そりゃ驚くよね。
猫がいて、ペット用品も全部揃ってて。
……はぁ。
「この子は何?」
……この子?
私は、大家さんの指差す方向を見た。
……誰?この子。
私のベッドの上に、見知らぬ男の子が裸で眠っていた。
でも、何でだろう。見たことないはずなのに、知ってる気がする。