私の子猫くん
「……あなた、一体?」
私がそう言うと、その男の子は体を離して、不思議そうな顔をした。
「僕だよ。コウだよ。」
……えっ。
「コウって、あの?」
「うん、あのコウだよ〜。」
私の知っているコウは、黒猫のコウしかいない。
この猫耳、尻尾……?
「あの、大森さん?彼は一体誰?何故裸なの?」
大家さんはもちろん混乱中。
……私だって混乱してるんだから。
……まぁ、でも今は誤魔化せる。
「すみません。彼は、私の恋人なんですけど、お風呂に入った後は裸で寝る癖があって……。」
「恋人?じ、じゃあ、その猫耳と尻尾は何なの?」
「こ、これは、その……コスプレの趣味があって。」
「それにしては、まるで本当に生えてるみたいよ?」
「さ、最近のコスプレ衣装はよく出来てるんですよ。」
何とか誤魔化さないと。