私の子猫くん
「はぁ〜、しかしよくできてるね。」
私は、シーツで彼の体を隠しながら、感心する大家さんを見ていた。
「あの……もういいですか?」
「あっ、うん、ごめんなさいね。どうやら勘違いだったみたい。失礼します。」
大家さんはそう言うと、足早に部屋から出ていった。
「ねぇー、杏。あの人間、誰ー?」
相変わらず私にくっつき、擦りよってくる彼。
……ただ、私を見つめる大きな黒い瞳に吸い込まれそうになっていた。
「この部屋の大家さんだけど……」
「ふぅん。」
彼は、そんなことは気にしていないかのように返事をした。
「あなた……本当にコウなの?」
「うん!」
……ダメだ。
頭がパンクしそう。
どうして、猫だったコウが、こんなに可愛らしい美少年になってるの!
それにこの猫耳と尻尾!
可愛すぎるでしょ。
そりゃね、コウが人間になれたらって思ってましたよ?
だからって……