私の子猫くん
「でも困ったな。私の家には、男物の衣類はないし……。あ、そうだ。美樹って、弟がいたよね。コウは中肉中背だし、多分入る服があるよ。」
「美樹……あ、あの子だね。」
コウは、依然としてシーツにくるまったままだ。
……このままだと、萌え死にしそうだから、一刻も早く美樹に電話しよ。
「もしもし。どうしたの?」
「あ、ごめんね。あのさ、美樹って弟いたよね?」
「うん、いるけど。それが、どうしたの?」
「もう着てない服とか、着られない服があったら、持ってきてくれないかなって。」
「はぁ?どうしたの?急に。」
……そりゃ、当然のリアクションだよね。
「ま、まぁ、理由は来てくれれば話すから。適当に衣類と下着なんかも見繕ってきてくれると嬉しい。」
「……また、変わったお願いだこと。」
美樹はそう言ったけれど、案外すぐに了解してくれて、来てくれると言ってくれた。