私の子猫くん
「さてと、問題は美樹にどう説明するかだね。」
コウは、そんなことなどお構いなしにニコニコしながら、私にじゃれついてくる。
「杏の髪、いい匂いがするねー。わぁ、ほっぺたはプニプニだぁ。」
……無垢で純粋。コウのためにあるような言葉だと思う。
「ねぇ、杏。」
「なぁに?」
「ありがとう。」
「え?」
「あの日、僕を拾ってくれて。」
コウは急に真剣な眼差しを浮かべながら言う。
「そんなこといいよ。私もコウに出逢えて幸せだから。」
「杏……好きー。」
「わっ、ちょっと飛び付くな!裸なんだから。」
「何がいけないのー?」
「……さっき言ったでしょ。」
私はそう言って、コウの頭を軽く叩いた。