私の子猫くん
「じゃあ、何?彼は杏が拾ってきたあの黒猫で、急に人間になっちゃって、相思相愛ってこと?」
「いや、相思相愛までは言ってないよ……。」
「でも、好きだって言ったじゃん。」
「それはそうだけど……。」
「まぁ、そこはいいとして。どうすんの?これから。」
「え?これからって?」
「コウくんのこと。いくら見た目が人間になったからって、中身はまだ猫みたいだし、人間の世界で生きていくには、杏の存在が必要不可欠みたいだし?一緒に暮らすってことは、もうペットを飼うってことじゃないんだよ?コウくんも男の子だし。」
……そっか。そんなこと考えてもなかったな。
「杏のことだから、コウくんが一緒ならそれでいいとか思ってたんでしょ?」
「……うん。」
「やっぱりね。まぁ、ゆっくり考えてみれば?人間になっちゃったのは仕方ないし、その理由も杏のせいらしいじゃん。健気だねぇ。」
美樹はそう言って笑った。