私の子猫くん
「ねぇ、杏。大学に猫つれてきたの?」
「……仕方なかったの。雨の中だし、あのままじゃ死んじゃうかもしれないし。」
私は大学のホールで、黒い子猫をタオルでふき、ミルクを買って飲ましてあげていた。
美樹は、呆れ返ってる。
「……よっぽどお腹空いてたんだね。」
黒い子猫は、勢いよくミルクを飲み続けていた。
私は頭を撫でて、その様子を眺めていた。
「でも、どうするの?今日の授業。それに、杏のアパートって動物禁止じゃなかったっけ?」
「今日の授業は、一緒に出るよ。きっとおとなしくしてくれてるはずだから。アパートは……隠して飼うしかないね。」
その時、黒い子猫はミルクを飲みきり、私を見てまた一声鳴いた。