私の子猫くん

「ねぇ、杏。大学に猫つれてきたの?」




「……仕方なかったの。雨の中だし、あのままじゃ死んじゃうかもしれないし。」




私は大学のホールで、黒い子猫をタオルでふき、ミルクを買って飲ましてあげていた。




美樹は、呆れ返ってる。




「……よっぽどお腹空いてたんだね。」




黒い子猫は、勢いよくミルクを飲み続けていた。




私は頭を撫でて、その様子を眺めていた。




「でも、どうするの?今日の授業。それに、杏のアパートって動物禁止じゃなかったっけ?」




「今日の授業は、一緒に出るよ。きっとおとなしくしてくれてるはずだから。アパートは……隠して飼うしかないね。」




その時、黒い子猫はミルクを飲みきり、私を見てまた一声鳴いた。


< 7 / 209 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop