私の子猫くん
「そう……随分かわいらしい子なんだね。でも、どうしてその彼がここに?」





「……一度、私がバイトしてるところを見たいって言い出して。お邪魔ですか?」





「いや、邪魔じゃないよ。こんなにかわいらしい男の子がいれば、宣伝になってくれるかもしれないし。杏ちゃん、早速で悪いけど用意してくれるかい?」





「あ、はい。……コウ、ちょっとここで座って待っててくれる?」





「うん!分かった。」






……僕にはよく分からないことが多い場所だけれど、杏を困らせちゃいけないと思う。





僕はニコッと笑って杏が言った椅子に腰を下ろした。






「君、名前は何ていうの?」






僕が鼻歌を歌いながら、回る椅子で遊んでいると、さっき杏と話をしていた男の人が僕に話しかけてきた。






「僕?コウだよ~。」






僕は笑いながらそう言ったけど、その男の人は不思議そうな顔をしていた。



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