私の子猫くん
私は自然とコウの手を強く握る。





「……ん?君は?」






「僕?僕はコウだよ。」






コウは物怖じせずに話しているが、動物的な感なのかな?





やや威嚇している感じがする。






「そう……。ねぇ、杏。彼は杏の何?」






……そうやって質問ばっかり。






私のこと、少しでも考えてくれたことある?






「答えて。答え次第では……許さないから。」






……私は俯いていた顔をあげて、彼の表情を盗み見た。






……あの日と一緒の顔してるんだね。


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