私の子猫くん
「僕は杏の一番だよ。」






私が黙り続けていると、コウはそう言って私に抱きついてきた。






……いや、抱きつくというよりは抱きしめるといったほうがいいかもしれない。







「……君の一番?」






もう一段階声が低くなった。






「……ふうん。」






……コウ。そんなに心配そうな顔しなくていいよ。






私なんかのために。






いつもみたいに笑ってよ。



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