ハルナツアキフユ
「そうじゃないじゃない。
そうじゃなくて、来てくれるなんてありがとうとか、嬉しいとか、がんばるとか…
そういうこといいなさいよ!」
「……なに。」
「えー、亮子の心の中の代弁?」
戸田由香は、私の前の席に、後ろ向きにどかっと座り、わたしと向かい合わせになった。
「小木曽くんって、なんていうか…読めないよね。なにかんがえてるんだろう」
「………」
「ああ、ごめんってば亮子。」
「いや、別に怒ってないよ」
私は、バスケ部が集まっているところへ目を向けた。
小木曽と、森山と、あと二人。
「あーっ、森山くんかっこいい!やっぱ好き!」
「……そもそも、わたしは由香のために付き添いで行くだけなんだから。
感謝してよね」
「うん、本当にありがとう!!」
そして、またあの集団に視線を送る由香をみて、わたしは短くため息をこぼした。