泡沫のキス
人魚の歌
魔女が私の夢の中で、最後に呟いた。
『お前はこれから、日向(ひなた)マリアだ。
わしが、お主の両親となる者には記憶を植え付けておこう。
やりたいことをやるがよい。
どうせ1ヶ月だ…』
気味悪い笑い声と一緒に、そこで闇に吸い込まれるように、夢は途切れてしまう。
「…夢、…か…」
まだ眠たい目を開けば、見慣れ始めてきたピンクの天井。
…まただ。
どうして私はここ一週間、この夢ばかり見ているのだろうか。