泡沫のキス
ほんと、あんな夢、目覚めが悪い。
ベッドから起き上がり、ふぅー、と溜め息を吐いたと同時に。
バァンッ!とドアが開いた。
「マリア!早く起きて、一緒に学校にあいさつに行きましょ」
「もう!ノックくらいしてよ、お母さん」
いきなり現れたお母さんに、次は溜め息が出る。
が、本人は気にするフリすらなく、ジャーン!と背中に隠していたものを見せた。
「ほら、新しい制服よ~!」
「へぇー、前の学校よりかわいいね」
お母さんが持っていたリボンのブレザーの制服を受け取る。
「早く着替えて転校のあいさつに行くわよ!」