泡沫のキス
「きゃーっ!
日向さん、ずるいぃ~っ!」
「あぁ、かっこいぃーっ!
朝生くぅ~んっ!」
な、なんだ、これ。
クラスの女子という女子が、おかしい。
歓声?
いや、そんなもんじゃない。
矯声だ、こんなの。
ただ呆然とする私に、当の本人は。
「ごめんね、驚いたよね。
皆さん、マリアが困ってるから静かにしてもらえるかな?」
その一言で、本当に静かになってしまう教室。
おかしいぞ、これ。
なに、この人。
若干、女子から鋭い視線を感じるし。