黒〜忘れた罪〜
『………1352、よく聞くんだ』
部屋に入ってくるなり、真剣な表情のお医者さんに、僕は不思議に思った。
でも、お医者さんが真剣なんだから、僕も真剣に聞こうと、頷いた。
そしたら、お医者さんの表情が少し緩んだ。
そして………
『君の体を、実験に使う事にした。』
って言った。
「………実験?」
何の実験だろう……?
なんて考えてたら……
お医者さんが包丁を僕に向けた。
笑顔……ううん、不気味に笑いながら。
「や……だよ………何するの…?」
『大丈夫。死体は交換されるから。』
お医者さんは、包丁を振り上げて、僕の方に勢いよく振り下ろした。
慌てて避けた僕に、お医者さんは舌打ちをして、もう一回襲い掛かってきた。