りとる@プリンセス
「大丈夫!?」
座り込んだままのあんなに男の声が降ってきて散らばった本を拾ってくれる
「あ、ありがとうございます」
杏奈も一緒に拾うと目の前に欲しかった本が現れた。
「え…?」
「これがほしかったんやろ?」
立ち上がった彼はとても大きな男で
自分の倍はあるその身長。スタイルもまずまず。
「小さいなぁ…かわいそうに、不便やろ?」
杏奈は彼のその言葉にバカにされているような気がして、急に恥ずかしくなりとにかくその本を受け取りぺこっとお辞儀をしてその場を立ち去った。
男は不思議そうにその小さな女の子の背中を見送りクスッと笑った
「なんや…人見知りか?」
ふと床を見ると紙切れのような物が落ちているのを見つけ拾い上げた
四つ葉のクローバーがあしらわれ、瑠璃色のリボンがついている栞。
杏奈の物だ。
彼は大切にバックのポケットに仕舞うと図書館を後にした。