ピュア
4年付き合った彼氏との別れ。
そう、忘れもしない、真夜中の1時半。

携帯が鳴り響く。
昨夜、喧嘩した、彼氏からの・・・・・
着信:田口竜平
(はい)と宏美はちょっとふて腐れて、電話にでた。

(あれ?何言ってるの?)
電話に出た瞬間、
自分の部屋が全て遠ざかって見えた。

竜平のお母さんからだった。
(竜平がバイクで・・・・即死・・・・・・????)

そのあとは何を話したか全く思い出せない。
宏美は事態が飲み込めず、
気づいたら、彼の遺体の前に居たのだ。

顔は3倍にもなり、
見る影も無かった。

竜平の指にペアリングがむなしく光っていた。
手には、りぼんのついた袋をしっかり握りしめたままだった。袋が破れ、
キティーちゃんの鏡が顔を出していた。

そう、宏美が欲しがっていた、鏡だ。
泣き崩れる、彼のお母さん。
と同時に現実に引き戻された。
(どうして????何で?何で?こんな事に?)

もう、話す事も、聞く事も出来ない彼に、宏美は、一晩中、泣き叫び、しがみついていた。
あれから・・・・・・
2年の月日が流れた。
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