メルティングポット
学校、バイト
「ねえ、聞いた? ルミと田村って付き合ってるらしいよ」
「マジ? それキモいんだけど~!」
教室のあちこちでいろんな話題が飛び交う。
わたしはそんな会話に加わることなく、窓から外を眺めるのが好きだ。
「な、なあ。ナツミ…」
ふとわたしを呼ぶ声。
振り返ると鼻のでかいしどろもどろした男子が立っている。
「なに? 牧野君?」
学級委員長の牧野君。自称社長息子ってのが自慢のくだらない男。
「あのさ、今日ヒマだったら…」
「今日もバイトあるの! ごめんね」
わたしは彼が言い終わる前に返す。こいつの言いたいことはどうせわかってる。
「あ、そうなんだ…」
返す言葉をなくして牧野は思わず自分の鼻に指を突っ込む。
こいつの焦った時の癖だ。
「それキモいから」
わたしは席を立ちながらそう言うと教室を後にした。
こんなわたしを好きだというのがあんなエセ社長息子だけ。
他のみんなはわたしのことなんて誰も気にしない。
またあの言葉を思い出す…。
メルティングポット。
やっぱりわたしはあの言葉が嫌いだ。
「マジ? それキモいんだけど~!」
教室のあちこちでいろんな話題が飛び交う。
わたしはそんな会話に加わることなく、窓から外を眺めるのが好きだ。
「な、なあ。ナツミ…」
ふとわたしを呼ぶ声。
振り返ると鼻のでかいしどろもどろした男子が立っている。
「なに? 牧野君?」
学級委員長の牧野君。自称社長息子ってのが自慢のくだらない男。
「あのさ、今日ヒマだったら…」
「今日もバイトあるの! ごめんね」
わたしは彼が言い終わる前に返す。こいつの言いたいことはどうせわかってる。
「あ、そうなんだ…」
返す言葉をなくして牧野は思わず自分の鼻に指を突っ込む。
こいつの焦った時の癖だ。
「それキモいから」
わたしは席を立ちながらそう言うと教室を後にした。
こんなわたしを好きだというのがあんなエセ社長息子だけ。
他のみんなはわたしのことなんて誰も気にしない。
またあの言葉を思い出す…。
メルティングポット。
やっぱりわたしはあの言葉が嫌いだ。