青の奇跡
春夏秋冬
とある市内のどこにでもあるバッティングセンター。
外観はもう寂れてしまっている。
無理もない。
すぐ近くにまるで潰さんとばかりに新しくバッティングセンターが建設されてしまったのだから。
もはやこのバッティングセンターもいつ無くなってしまってもおかしくない。
ここに通う客はほとんどが店主との顔なじみばかりで、新しい顔は最近はめっきり見かけない。
客が店主と顔を合わせれば、決まって言う「今日も遊ばせてもらうよ」という言葉。
店主も店がなくなるかもしれないということは随分前から痛感していた。
今日も店主は電卓を片手に溜め息をつく。
しかし、そんなバッティングセンターにも救世主がいる。
それも目を丸くしてしまうような。
カキーン!!
金属バットが綺麗な音をたてたかと思うと、跳ね返されたボールは見事、ホームランゾーンにヒットした。
「はい、これで二回目」
金属バットをくるくると回しながら女の子はすっと何かを意味するように手を後ろで見ていた男の子に差し出した。
外観はもう寂れてしまっている。
無理もない。
すぐ近くにまるで潰さんとばかりに新しくバッティングセンターが建設されてしまったのだから。
もはやこのバッティングセンターもいつ無くなってしまってもおかしくない。
ここに通う客はほとんどが店主との顔なじみばかりで、新しい顔は最近はめっきり見かけない。
客が店主と顔を合わせれば、決まって言う「今日も遊ばせてもらうよ」という言葉。
店主も店がなくなるかもしれないということは随分前から痛感していた。
今日も店主は電卓を片手に溜め息をつく。
しかし、そんなバッティングセンターにも救世主がいる。
それも目を丸くしてしまうような。
カキーン!!
金属バットが綺麗な音をたてたかと思うと、跳ね返されたボールは見事、ホームランゾーンにヒットした。
「はい、これで二回目」
金属バットをくるくると回しながら女の子はすっと何かを意味するように手を後ろで見ていた男の子に差し出した。