青の奇跡
「まぁね、確かに急な話しだ。だけれどももう経営に無理があるんだ」

店長はため息をついて肩を落とした。

「店長……」

奈緒の声がしおらしくなった。

奈月も目線を落として小さくため息をついた。

「……何かいい方法はないんですか、店長??」

奈緒の声が少し涙がかった。

奈緒と奈月は幼い頃からここに通い続けている、いわば常連客である。

誰しも自分が好きなものが目前から消えると辛いものだ。

「前に出来たバッティングセンターがなくなれば別の話だけどね」

「なら無くしてやればいい」

間髪入れずに不意に奈月が口を開いた。

二人は冷静に言い放った奈月を見て目を丸くしている。

「れ、冷静に考えなよ奈月。一体どうするっていうのよ?」

「簡単な話しだろ。客集めればいいじゃん」

奈月の拍子抜けな解答に二人は落胆した。

「……奈月……それができたら苦労しないのよ」

奈緒はポンと奈月の肩に手を置いた。
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