青の奇跡
「あの頃、僕は奈月君は絶対にプロになれるとずっと思っていたんだよ。今も野球を続けていればきっと……」

「店長」

奈緒が突如店長の言葉を遮るように口を開いた。

よくみれば奈月の表情が少し曇っている。

「あ、ご、ごめん奈月君……」

「いや、いいんです。大丈夫ですから」

奈月は、はははと苦笑した。

「えっと……ホームランゾーンを壊したっていうことだったよね??」

話の軌道がようやく戻った。

「あ、はい。本当にすみません」

奈月は再び頭を下げた。

「いやいや、いいんだよ。記念にってことでもらっとくよ。君に壊してもらったんならきっとあれも本望だろうよ」

「ちょ、店長……記念て……」

奈緒は眉をしかめた。

「話は変わるけど、今までありがとうね、奈緒ちゃん、奈月君」

「ちょ、ちょっと店長!?いくらなんでも急すぎですよ!!」
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