君だけを……。
だけど正直、不安な想いもあった。
会ったとしても、話しを聞いてくれるか。
イヤ、彼氏がいたらどうしようか。
何より、この人混みの中でちゃんと会えるのか、心配だった。
でも案外、簡単に見つけることが出来た。
壁ぎわに1人しゃがんで、下を向いてる人を発見した。
よく見ると、それが哀だった。
1人しゃがんでるから、少し目立つ。
俺は、人混みをかきわけながら、ゆっくり近付き、立ったまま上から声をかけた。