君だけを……。



だけど正直、不安な想いもあった。


会ったとしても、話しを聞いてくれるか。


イヤ、彼氏がいたらどうしようか。


何より、この人混みの中でちゃんと会えるのか、心配だった。



でも案外、簡単に見つけることが出来た。


壁ぎわに1人しゃがんで、下を向いてる人を発見した。


よく見ると、それが哀だった。


1人しゃがんでるから、少し目立つ。



俺は、人混みをかきわけながら、ゆっくり近付き、立ったまま上から声をかけた。




< 112 / 132 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop