君だけを……。



「哀?」




呼んでみたけど、反応がない。


全然反応がないから一瞬、人を間違えてるのかと思った。



だけど、そんなはずはないと首を振る。



俺は、哀と同じようにしゃがみ込んで、もう1度言った。




「哀、だよな?」




不安が声に現れていた。



それでも最初は、反応がなかった。


次は辛抱強く待ってみた。


そしたら、やっと顔を上げた。




「直樹……」




< 113 / 132 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop