君だけを……。
こうやって哀を、もう1度抱きしめることが出来たのも、純のお陰だから。
ここは素直にお礼を言った。
その傍らで、哀は不思議そうな顔をしていた。
そんな哀に、純が説明した。
成人式前に、俺にしたことを。
結局純は、俺らの気持ちを知りながら、見守っていたんだよな。
「さて、私は帰るよ。
直樹、あとは任せた。
ちゃんと送るんだよ!」
最後に念を押された。
それに俺は頷く。
「はい。
了解しています」