君だけを……。



それから笑顔で去って行く純に、哀がお礼を言った。


また、俺たちは2人きりになった。




「そろそろ、離してもらいたいなぁ」




抱きしめられたまま、哀が呟く。


俺はまた、力を込めた。




「だーめ。
4年の穴を埋めるんだよ」



「キャラ、違うくない?」




違うくないよ。

両思いになれば、嬉しくてこうなるよ。




「じゃあ、哀は離れてもいいの?」




意地悪く、そう聞いてみた。




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