君だけを……。



それでも頭を下げたまま謝る。


どこもかしこも震えている。




「もういいよ。
帰りな」




直樹が冷たく言い放った。


その言葉で、おずおずと体を起こし、出て行った。




「直樹っ!
そこまでしなくていいよ」



「ダメだって。
ちゃんと謝ってもらわないと」




ようやくいつもの直樹に戻った。


ちょっと、直樹の本性を見た気がした。




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