君だけを……。
いつもこれで断っている。
私は自分が好きになった人じゃないと、付き合えないから。
「じゃあ、何で遠藤くんとは一緒にいるんですか?」
立ち去ろうとした私を、引き止めるかのように言った。
「彼女が可哀想じゃないんですか?」
その言葉は、胸に深く突き刺さった。
「いつまでも一緒には、いられないと思います」
そう言って、男の子は走り去って行った。
目的は告白だったはずなのに、なぜ直樹とのことを他人に言われないといけないのか。