君だけを……。

*悲しみ




「何、考えてんの?」




いつものようにベッドにいたら、直樹にそう聞かれた。




「えっ……?
イヤ、別に何も?」




私がつい、他のことを考えてしまったことに気付いたらしい。


知られないように、とぼける。




「ヤってる時に、他のこと考える余裕があるんだ」



「冷めた?
じゃあ、やめる?」




やめて欲しくないのに、強がりを言う。


どこかで、やめる訳ないって思ってるから、言えてるのかも。




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